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厚労省「地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議」を開催

平成29年9月25日に東京都内にて厚生労働省「地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議」が開催されました。

「地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議」が開催されました。改正社会福祉法等を踏まえて、「我が事・丸ごと」の実現に向けた3つの観点のうち、「地域づくり・相談支援体制」に関する説明が行われました。
内容は大きく分けて2つです。

1つめは「包括支援体制をどうしていくか」といった全体論で、法の第4条、6条、106条-2、106条-3に関わる一連の内容です。福祉ニーズの多様化を踏まえ、一つの相談機関では十分に対応できない「制度の狭間」の課題解決を図る観点から、複合的な課題を抱える方に対する包括的な支援システムを構築するとともに、地域に必要とされる社会資源を創出するためにどう進めていくかの話です。
改正法の解説とともに「こんな感じ」とイメージできるよう、取組みが実践されている大分県と豊中市社会福祉協議会の担当者からプレゼンテーションも行われました。

もう1つは「地域福祉計画の策定」に関することで、法の107条、108条に関わる内容です。自治体の努力義務ではありますが、ほぼ義務に近いと言っても過言ではありません。
改正法では、地域福祉計画には、高齢者、障がい者、子ども・子育て等の含めた福祉に共通する事項を必ず定める規定になっています。共通する事項として考えられることなどの説明が行われました。

「包括支援体制づくり」や「地域福祉計画の策定」にあたって、国が策定する「指針」や「ガイドライン改定版」のベースとなるのが「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」(地域力強化検討会)のとりまとめです。

経過としては、昨年度に同検討会の「中間とりまとめ」を公開⇒それに基づいて改正社会福祉法案を作成⇒その中で指針が規定され、地域福祉計画は任意から努力義務に格上げしたためガイドラインも見直し⇒法案成立後に開催された同検討会の「最終とりまとめ」を公開⇒両とりまとめの内容を、今後指針として告示・・・という流れです。

ところで、同検討会の「中間とりまとめ」と「最終とりまとめ」の関係性は、市町村でも把握していないケースが見受けられます。中間とりまとめが折り返し地点、それをブラッシュアップしたのが最終版というよくあるパターンと勘違いされますが、今回のまとめ方は違います。中間とりまとめでは「骨格」を示し、最終とりまとめではその骨格をどう「展開」していくか、留意点や具体的な例をまとめた形ですので、「両方セット」で見る必要があります。

中間とりまとめの柱として、地域づくりの3つの方向性が示されています。
その方向性に対して、(1)他人事を「我が事」に変えていくような働きかけをする機能(コミュニティーづくり等)と、(2)身近な圏域で「丸ごと」受け止める機能、これを縦割りではなく一体的に行うことがポイントになっています。
いわゆる点から面へと言われる部分です。
さらに専門職を中心とした様々な機関がネットワークを組んで、その課題を受け止めるのが包括的な相談支援体制のイメージです。

最終とりまとめには、中間とりまとめで示された3つの方向性を促進するための具体的な方法が記されています。

※「指針」に該当する部分(第106条-3関係)は、まとめて指針と括られますが、実際の指針はシンプルな大臣告示です。詳細は局長通知で示されます。

「地域共生社会の実現に向けた評価指標」が作成されています。「行動指標」の役割を持つもので、包括的な支援体制を構築する上で必要と考えられる取組み内容が4段階で示されています。モデル事業を実施する市町村のために作成されたものですが、モデル事業を実施していない市町村でも活用できますし、取組のヒントにもなるものです。

指標は、「共通事項」「我が事の地域づくり」「丸ごとの地域づくり」「多機関協働による包括的支援体制事業(研修等)」「行政の役割」の5つの分野からなる計25問です。各問とも、4段階のステップが上がるごとに難易度が高まり取組みが深まるよう設定されています。

問の順番に進める必要はありません。例えば、できていない部分を塗り潰していく方法もあれば、どこから着手すればわからない場合に一問を選び、そのステップ4から着手する方法も考えられます。
あくまでも視点の参考と捉えて、まずは市町村による支援体制を整備していくことが求められています。

社会福祉法には、地域住民等による地域福祉の推進が規定されていますが、今回の改正法において、課題を持つ本人だけではなく、その世帯が抱える福祉、介護、介護予防、保健医療、住まい、就労、及び教育に関する課題を含めて丸ごと課題を把握し、解決を図るために関係機関と連携する「我が事丸ごと」の地域共生社会の理念が追加されました。
「地域生活課題」はこれらの全体を指しています。

この議論をする時に必ず出てくるのが、「地域に丸投げし、行政責任が後退しているのではないか」という指摘です。そのため、福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務も条文で明確化されました。

さらに、地域力強化検討会の最終とりまとめにおいても、「指針やガイドラインを示したので後は自治体で」というスタンスではなく、厚生労働省自身が、これまで以上に熱をもって本気で取り組んでいくことが明記され、決意表明の形にもなっています。

資料はこちらから(厚生労働省ホームページ)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=480204

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