第1回目とありますが、実は昭和62年から5年ごとに開催されている歴史のある検討会です。30年前はがん末期や治る見込みのない患者さんを想定して「末期医療」という名称が用いられ、その後、がんに限定せず高齢になって長期の療養後に亡くなる方が増えた背景から「終末期医療」となりました。平成24年以降は、尊厳を尊重した人間の生き方に着目し、幅広く医療及びケアの提供について検討することに重点を置くこととして「人生の最終段階における医療」に名称変更が行われ、今回から会議名にも用いられています。この間、尊厳死のルール化議論の高まりを受けて、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(H24改称)もまとめられています。
これまでは主に患者に対する環境整備が行われてきましたが、「人生の最終段階における医療」について、国民に対する十分な情報提供や具体的手段が示されず、普段から考える機会や本人の意思を共有する環境が整備されていない状況があり、本人の意思に反した医療が行われる可能性もあることが指摘されていました。そのため、国民への普及啓発や、参考となる事例の横展開(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)等、本人の意思を共有するための仕組みづくりが検討されます。
昨年の経済財政諮問会議の社会保障ワーキングでは、「自然な死を迎えたい」あるいは「人工呼吸器等の侵襲性のある治療は望まない方がいる」といった意識の状況調査や把握は重要であり、「医療費削減のためではなく、QOLを上げるための仕組みづくり」を支援する観点でも議論が行われています。高齢者の救急搬送では、必ずしも望まない3次救急レベルの救急医療が行われている課題もあります。
「縁起でもない…」「患者家族の心情を慮って…」に留まらず、どうしたら本人の意思を反映できるか?今後の医療や療養について患者・家族と医療従事者や関係者が事前に話し合う自発的なプロセスである「ACP」の普及策が検討されます。
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