創立15周年にあたって
一般社団法人日本介護支援専門員協会
会長 柴口 里則
日本介護支援専門員協会は、令和2年11月3日に創立15周年を迎えました。
特段の周年行事はいたしませんが、節目の時にあたり、まずは当協会をお支え
いただきました関係団体、諸機関の皆様方、この協会を一緒に盛り立てていただ
きました会員、支部長、役員、関係者の皆様方に心より感謝と御礼を申し上げま
す。
当協会は、公正・中立なケアマネジメントを確立し、介護支援専門員の資質お
よび社会的地位の向上に努めることをもって、国民の健康と福祉の向上に寄与す
ることを目的として平成17年に設立され、この目的を達成するために現在に至る
まで様々な事業を行ってまいりました。社会から要請されて担う業務は介護保険
の枠を超えて拡大する一方で、近年では家族介護者の介護離職防止のための相談
支援、災害時の被災者支援等、地域を支える担い手としてなくてはならない存在
になっております。過去の歩みを振り返れば、それぞれの事業、未曾有の大災害
や感染症への対応など一つひとつに悩み、考え、紆余曲折を重ねながら、決して
平坦とは言えない道のりを辿ってきました。
平成19年には私たち自身の手により、誰から押し付けられたものではなく「介
護支援専門員倫理綱領」を策定いたしました。いわば国民の皆様に対する誓いで
す。その項目のいずれも介護支援専門員の職責を全うするために不可欠なもので
あり、現場にあって専門職としての誇りと高い志を持つ仲間の胸に自ずと刻まれ
ており、だからこそ現在の介護支援専門員が社会から信頼される存在になり得た
と確信しています。
倫理綱領を策定した年にはロゴマークも発表いたしました。会員の皆様にはピ
ンバッチとしてお馴染みですが、このロゴに込められた意味をご存知でしょうか。
Japanの「J」を人と見立て、Managerの「m」をハートにして、包み込むあたたか
さを優しいケアの色使いで表現しており、公募により会員の皆様の投票で決定し
たものです。私たちの地域も、制度を作る行政も法律を議論する場も人で成り立
っており、このロゴが全ての基本のような気がして、当協会にとても相応しく良
いマークだと思っています。
当協会の前身の全国介護支援専門員連絡協議会当時より組織の土台を築いてく
ださった木村隆次初代会長、鷲見よしみ2代会長をはじめ、当協会を育て、慈し
み、時に愛情をもって厳しくご指導・牽引いただいた先達のバトンを受け、3代
会長の私も次の10年、15年へと続く介護支援専門員の未来に向けて、課せられた
使命の遂行に努力することをお約束いたします。今後とも日本介護支援専門員協
会に対して変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。
最後になりますが、この冬は新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同
時流行が予測され、その備えに向け一層のご労苦が懸念されますが、感染対策の
基本を忠実に実施され、皆様がお健やかに過ごせるよう願っています。感染リス
クは誰にでもあり、心ならずも感染した方や、感染した方のいる組織や施設等に
対しては、日本全体がいつもと変わらぬ包み込むあたたかさで接してくださるこ
とを祈念し、当協会発足15周年のご挨拶とさせていただきます。
令和2年11月3日